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- ライター名:大嶽 広展
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
多店舗化?それとも地域一番店?
掲載日:2008年2月29日みなさん。こんにちは。株式会社船井総合研究所の大嶽が今回の執筆を担当します。さて、今回は「地域一番施設」というお話をいたします。
施設型ビジネスには「地域一番店理論」と「チェーンストア理論」の2つが存在します。
地域一番店理論とは徹底して地域密着型の経営をし、その商圏内で一番を獲得した上で次の商圏へと拡大させていく手法である一方で、チェーンストア理論とはとにかく有望エリアがあれば開設し、店舗ありきで拡大させていく多店舗化方法です。どちらにもメリット、デメリットが存在しますが、この保育業界では圧倒的に「地域一番店理論」の方が良いのです。例えば飲食店等ではチェーンストア理論も成り立ちます。何故ならば、人材の品質が保育や教育ほど求められないからです。
地域一番店理論のメリットとデメリットは、
■ メリット
地域の人々からの信頼性が高い
行政からの信頼性が高い
質の追求に経営資源を投下できる
一番店になった後の地域内での拡大がしやすい
ブランド化しやすい
地域特性に合わせた内容を盛り込みやすい
■ デメリット
急成長は見込みづらい
一方で、チェーンストア理論のメリットとデメリットは、
■ メリット
業績を急速に拡大できる可能性がある
行政から企業実績を評価される可能性がある
ネームバリューが高く、保護者がイメージを持ちやすい
■ デメリット
保育の質が追求しにくい
経営トップの目が行き届きにくい
効率化・標準化に経営資源を投下せざるを得ない
質での差別化が難しく、価格での差別化に走りやすい
人材が育ちにくい
などが挙げられます。明らかに地域一番店理論の方が正攻法ですよね。要は質の追求が全てなのです。
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