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- ライター名:下田寛之
- 会社名:株式会社船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
保育事業を行うにあたって重要な考え方
掲載日:2008年5月 9日前回、マクロな視点で市場を考え、市場は将来的には縮小していく可能性がありますが、現状においては、まだまだ市場が成長期にあることをお伝えいたしました。
市場が成長期から成熟期にかけて企業が行うべき行動は、通常の事業であるならば、需給バランスにおいて需要の方が高いため、質よりも量を問われます。結果、より拡大(保育事業ならば他店舗化)をしていくことがベストであると考えられます。
しかし、ここで保育事業というのはとてもデリケートな事業であることを思い出して欲しいのです。昨今、頻繁に起こってしまった保育所の不祥事により、現在、保育所においては、特に質が問われるようになりました。つまり、質が悪ければ、消費者は、それを得ようとは思わないということです。
では、保育所で求められている質とは、何でしょうか。
これは自分自身におきかえてみて考えれば簡単に分かることだと思います。保育所が足りないからといって、大切な子供を預ける保育所を適当に選ぶでしょうか。
つまり、最も求められている質は、安心安全ということになります。この質がないのであれば、普通の方は、預けることなく、自分達でどうにかするでしょう。
このように保育事業を営むのであれば、質=安心安全を重視していくことが最低条件ということになります。
よって、平準化することによる拡大(チェーンストア化)は保育所の特質には合わないということになります。
しかし、平準化せずに、質を重視するには、どうしてもコストもかかります。地域住民と密接に関わる必要性もあります。
そのためによりマーケットが存在する場所において、効率的に子供たちを集めることが重要となります。
次回からは、そもそも、上記が可能か否か及び可能ならばどのように行っていけば良いかを判断するための分析であるミクロ環境分析を説明して参りたいと思います。
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