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- ライター名:下田寛之
- 会社名:株式会社船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
差別化要素【立地】
掲載日:2008年7月28日いつもご愛読有難うございます。船井総合研究所の下田寛之です。
前回は、差別化要素のなかでも施設に着目して説明して参りましたが、今回は、立地についてお話したいと思います。
保育事業において最も重要な要素の一つがこの立地です。職業柄、保育園の調査を数多く行っていますが、現在のところ、ほとんど、この立地によって入園数が決まっているのではないかと考えられます。
では、立地を選定する上では、以下の流れが重要となります。
1. 施設を作りたい大雑把な場所を設定する(市区町村レベル)。特別な想いがない限り、これには、最初に仮説が必要です。(この市区町村には、保育施設が少ないため、ニーズがある等の簡単なものでも良いです。)
2. 仮設を基に実際にデータを収集します。この時点で使用するデータは下記に列挙いたします。これらのデータを用いて現在及び将来の有望性を検証します。
(1) 市区町村別人口推移
(2) 市区町村別対象年齢人口推移
(3) 市区町村別世帯当り人口推移
(4) 市区町村別昼夜間人口比率推移
(5) 市区町村別常用・臨時雇用女性数推移
3. 市区町村別に有望性があると判断できたら、今度は、町丁目レベルまで落とし込みます。町丁目レベルの分析において使用するデータは下記の通りです。
(1) 町丁目別人口推移(数値を6つ程度にわけ、地図上で色分け)
(2) 町丁目別対象年齢別人口推移(数値を6つ程度にわけ、地図上で色分け)
(3) 町丁目別世帯当り人口推移(数値を6つ程度にわけ、地図上で色分け)
(4) 町丁目別常用・臨時雇用女性数推移(数値を6つ程度にわけ、地図上で色分け)
(5) 町丁目別競合状況(位置を地図上にプロット及び実際に差別化項目を基にした調査=立地で入園数が決定しているか、その他で決定しているかを明確にする)
机上レベルで町丁目ベースの有望エリアがいくつか選定されたら、実際に土地やテナントを探し、現場にて、視認性や実際の交通状況、周辺地域状況を確認していく必要があります。
サービスや施設は重要とは言え、やはり、通いやすい立地が重要となってきますので、しっかりとした、調査・分析を行っていくことをお勧めいたします。
次回は、価格についてお話したいと思います。
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