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- ライター名:大嶽 広展
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
保育所運営のリスク(1)
掲載日:2009年12月10日みなさん、こんにちは。
船井総研の大嶽です。
さて、今回からシリーズで「保育所運営におけるリスク」をいくつか
ご紹介したいと思います。
どんな事業でも初めてスタートする場合はリスクとリターンを考える
ものです。
この保育事業においても多くのリターンが考えられますが、それと
合わせてリスクを考えることが重要です。
ではどんなリスクがあるのでしょうか?
私が毎回新規参入を検討している事業者様に話をしているのは
以下の4つです。
1.事故が起きる
2.採用・人材確保が出来ない
3.収支が合わない
4.撤退出来ない
これらをこれから数回にわたってご紹介していきますが、
今回はその中でも最も重要な1の事故について考えていきたい
と思います。
先日の日経新聞の記事では、2004年4月~2009年11月の5年7ヶ月
の間に保育施設で起きた死亡事故は49件だそうです。
しかし、これは保育所側の問題で起きた事故とそうでないものが含ま
れた件数です。
そのうち、認可が19件、認可外が30件。
平均すると年間8件~9件起こっている計算になります。
今、認可も認可外も含めて全国の保育所が約30,000件あるので
年間0.02%~0.03%の確率で事故が起こっています。
限りなく可能性が低いといっても事故のリスクは常に付きまといます。
そして、現実的には認可外保育所が多いのです。
これは様々な理由が考えられますが、多くが、
・管理不行届き
・園内の意識の低さ
・園内環境の悪さ
が原因となります。
どのようにしてリスクを限りなくゼロに軽減させていけば良いのでしょうか?
大切なのは、
・詰め込み型の施設にしないこと
・保育士の配置基準を必ず守ること
・保育士の意識レベルを上げる教育を怠らないこと
・想定される事故を整理し、その対策を環境に取り入れること
・保護者と自園の取り組みを共有すること
です。
私がこれまで見てきた施設でも事故が発生している園は必ずどこかを
怠っています。
逆に言えばこれらを忠実に守っている施設ならば確率は必ず低下するのです。
何よりも園全体の意識を上げて、それを風土として確立する事です。
ぜひ参考にしてください。
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