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- ライター名:荒井 香織
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
3.11の津波から避難しきった保育園【宮城県H保育園・K保育園】
掲載日:2011年11月12日みなさん、こんにちは。
船井総研の荒井です。
本日はいつもの教育や園児募集というところではなく、危機対応についての事例をご紹介したいと思います。
今回は宮城県石巻市の被災した2つの保育園です。しかし、現在は保育園は津波にのみこまれ無くなり、他の児童館や幼稚園を借りて保育園運営をされています。
こちらの2つの園は、どちらも海が目の前にあり、大変危険な状況でしたが、お預かりしていた子ども達を全員無事に保護者に引渡すことができました。その要因としては、大きく分けて2つあります。
1.保護者を巻き込んだ避難訓練
2.引渡し表・緊急児童カードの整備
3.避難先との連携
の3つです。
震災時の対応で、非常にネックになるのが引渡しです。保護者と連絡がとれない、交通渋滞して何時に到着できるかわからない、誰が迎えにくるかわからない、などたくさんの問題が震災時は発生します。
それを防ぐためには、やはり園児の避難訓練はもちろんのこと保護者にも協力していただき、避難訓練を実施します。実際に保護者に参加していただくことで、想定範囲外のことが発生しても、それを実際の震災時に対応していくことができます。
そして、引渡し表と緊急児童カードの整備です。
引渡し表は、1分でも早く記載できるように、極力○と時間のみ記入できるよう、予め項目わけをしておきます。また緊急児童カードには、保護者の緊急連絡先だけではなく、できるだけ多くの連絡先を記入していただきます。今回のような未曾有の震災時は保護者の方と連絡がとれないということが多数ありました。ですから、できるだけ多くの連絡先を記入していただき、保護者と連絡がとれない場合は祖父母の方や会社の方、とにかく関わりのある人の連絡先を確保しておくことが大事になってきます。
時間・状況別・保護者参加型の避難訓練を繰り返しながら、何度も何度も帳票や備蓄、避難場所を確認していくことが大切なポイントですね。次回は避難先に関してご説明させていただきます。
では、次回もお楽しみに(あらい)。
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