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- ライター名:大嶽 広展
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
2011年の振り返りと2012年の経営(前篇)
掲載日:2011年12月25日船井総合研究所の大嶽です。
さて、2011年ももうすぐ終わろうとしています。
今年は言うまでもなく、東日本大震災で多くの命が亡くなりました。
多くは語りませんが、これらの方々の死を無駄にせず、私たちはこれからも生き続けなければなりません。
そんな中、保育業界も様々な動きがありました。
まずは、それを整理します。
・新システムの進行及び各業界団体の抵抗勢力の台頭
・新システムの不透明さの拡大
・認定こども園の増加(安心子ども基金の期限)
・小規模保育及び保育ママ事業の増加
・久しぶりの待機児童減少
・認可保育所の規制緩和傾向
・大手学習塾の学童保育参入の増加
他にも様々ありましたが、私が注目すべき動きは上記になります。
常に物事はマクロで捉える必要があるので、世界情勢や経済状況から保育業界を読み解いていかなければなりません。
ギリシャ危機を代表とした欧州危機、アメリカの国債危機、日本の円高拡大、その他インフレ不安など2012年は非常に厳しい1年になることは言うまでもありません。
そんな中、はっきり申し上げて保育の需要は増えるでしょう。
しかし、この需要と実態は比例しません。その一番の理由は、
「仕事に就けない無職者・求職者の増加」です。
・保育を必要としても仕事が無い
・仕事が見つかれば保育園に入れる
という方が増えるのが2012年だと思ってください。
要するに更なる「認可志向」が高まるのです。
しかし、認可保育所はあまり甘んじてられません。
認可の需要は増えますが、これから幼保一体化の進み方次第では大きく環境が変わります。幼稚園が競合になればもはやうかうかしていられません。
認可外保育所も需要としては増えると思いますが、一般的な待機児童の受け皿では厳しいのは言うまでもありません。
仮に保育の需要が増えても、仕事がありませんから認可外保育所にも預けられませんし、そもそも経済が厳しい中で毎月5万円も6万円も支払い続ける世帯は減少していきます。
託児所にとっては厳しい一年になるでしょう。
役割すら崩壊の方向に向かっていると考えてください。
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