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- ライター名:大嶽 広展
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
補助金に依存しないモデルの方が良いこともある
掲載日:2012年5月11日みなさん、こんにちは。
船井総研の大嶽です。
さて、今回はある私のお客様先の事例をご紹介したいと思います。
ここは、準認可保育所と認可外保育所を1園ずつ持っている会社です。
4月単月の業績結果を社長とともに整理しましたが、以下のようになりました。
準認可:売上483万円、営業利益:63万円
認可外:売上171万円、営業利益:53万円
恐らくどちらも年間で800万円程度の利益が出ます。
これの意味するところが分かるでしょうか?
もはや、事業モデル次第では準認可よりも認可外の方が経営効率が良い
という事です。
準認可は70%が補助金です。よって税金が投下されています。
だから監査も厳しい、資料も膨大、オペレーションも大変。
極めつけは、認可保育所の受け皿なので、4月に大幅に園児が減ります。
収支変動が激しく数字が読みにくいのです。
私は2年前から、
「準認可保育所は、数年来で役割が無くなる」
と言ってきました。
幼稚園が待機児童の受け皿になれば準認可はいらなくなるからです。
小規模保育や保育ママの方が財政的に、効率的に良いからです。
この会社も昨年対比で見れば準認可の4月の園児数は減っています。
理由は近くに認可保育所や別の準認可保育所が出来たからです。
もう既に予兆がで始めました。
これからは補助金に依存する経営が大きなリスクになる可能性があります。
認可保育所や小規模保育ならばまだ良いのですが、一番注視しておくべきは準認可保育所です。
他の業界は多くが無認可事業です。自主事業なのです。
いかに補助金に頼らず付加価値を高め、お客様にとってより良いサービスと環境を提供できるか。
これが民間保育会社の90%以上の会社の命題になるのは間違いなさそうですね。
ですので、新規参入を検討されている方は、必ずしも補助金で運営することだけを
考えないことをお勧めします。
もちろん、チャンスがあるのならば補助金事業はチャレンジしてくださいね。
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