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異業種の成功事例・トレンドから学ぶ保育経営

    • ライター名:大嶽 広展
    • 会社名:株式会社 船井総合研究所
    • 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。

タイから学ぶ

掲載日:2013年6月14日

みなさん、こんにちは。
船井総研の大嶽です。


先週4日間タイ出張でタイの現状を把握してきました。

私のミッションは、


1.タイの保育事情把握
2.タイの教育・保育ビジネス進出の可能性


で、この視点からタイを見ていきたいと思います。


タイは日本のGDPの16分の1程度。
人口は半分程度で、人口増加国ですが、
5年後からは減少していくようです。

しかし、バンコクはほぼ東京23区の人口と一緒ですから、
やはり街に迫力はあります。

また、親日家が多く、とても真面目な国で、
現在外資の40%が日本という状況です。

特にトヨタはアジアでも最も生産台数、
販売台数が多いのがタイで、どこを見てもトヨタ車ばかりです。

街はベトナムやミャンマーよりも交通インフラが整備されていますが、
渋滞は深刻。
30キロの場所に通勤するのに2時間近くかかると言います。

恐らく地下鉄が未整備であること、電車の本数が日本よりも
はるかに少ないのでしょう。
また、高層ビルも多いのですが、屋台やスラム街も多く、
貧富の差を感じます。その辺りはアジアの他国とさほど変わりません。


このような基本的な環境の元、

・タイは女性が働くのがあたり前
・女性社長や経営幹部が多い
・家庭でも女性が強い

という風習があるようです。

保育については、多くが二世帯で住んでおり、
高齢者は以前年金制度がなかったため、
働き盛りの世代が生活を支えていることからも、
祖父母が家で子育てが出来るようです。

よって保育需要は日本や先進国と比べて圧倒的に少ないことが伺えます。
これは他の途上国も同様です。

やはり保育問題というのは先進国の問題のようです。

しかし一方で、教育はかなり需要があるようです。
ショッピングセンターの視察からも分かるように、
七田、さかもと式、ヤマハなどが進出しており、
公文や学習塾も近年参入が増えつつあるようです。

(添乗員さんにヒアリングをしたら、
いくつかの教育系企業の添乗員を務めたこともあるそうです。
また、公文は既にタイだけで10万人の生徒がいるようです。)

途上国として、高学歴で高収入が増えてくると、
そこを目指す人たちが増えます。
だから良い大学に行かせたい、良い仕事に就いて欲しいというニーズが
生まれるのでしょう。

これからの背景から日経教育企業の進出は増えるはずです。

しかし、このような教育サービスを受けられるのは中間層~富裕層だけです。

益々タイ国内では教育格差が生まれる気がしてなりません。
これも他国と同様です。

また、バンコク銀行の副頭取の話ですと、面白いことに、
既にタイの大学進学率は60%だそうです。とても高い印象です。

しかし、日本企業の現地採用で大卒を希望する企業は全体の12%。
要するに、多くは製造業の肉体労働者やブルーワーカーを欲しており
まだまだ外資からは大卒ニーズが高くはなく、
比率から考慮してもタイ国内での大卒ブランドはあまりないようです。

よって、大学を出ても一流企業で働けない、
働く先がないということもあるのだと思います。

だからこそ、一部の一流大学に入らなければ大卒の恩恵は受けないのです。
よってレベルの高い教育や高い学力が求められます。

ちなみに、一流大学を出て就職先として多いのが医者とエンジニアだそうです。

数学的な力が求められるようですね。インドに近いのかもしれません。

だから、さかもと式数学の人気があるのでしょう。

繰り返しになりますが、
このような理由で教育サービスはとても面白そうです。
その中でも
教育メソッドの販売、教材の販売、教室展開は可能性がありそうです。


皆さんも是非機会がありましたらタイに行ってみましょう!

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