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明日の認可保育所の経営を考える

    • ライター名:大嶽 広展
    • 会社名:株式会社 船井総合研究所
    • 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。

号外!!消費税増税の先送りを考える

掲載日:2014年11月21日

みなさん、こんにちは。
船井総研の大嶽です。


2015年10月から消費税が8%から10%に上がる予定でしたが、
それを2017年4月に先送りする方針がほぼ固まりました。


これは保育業界にとっては非常に大きな問題です。


当然今回の新制度は税と社会保障の一体化の法に基づき、消費税を
10%に増税した分の歳入のうち、7,000億円を財源に充て、毎年、量の
拡大と質の改善を行うことなっていたからです。


それが、先送りになるということは、当初予定していた平成29年からの
質改善が遅れるということになります。


では今後それによって業界がどのように変化するのか。


これを予測してみたいと思います。


まず消費税が5%→8%になったことで、約3000億円~4,000億円の財源
確保がなされました。

これを活用して平成27年以降は新制度が動き出します。


7,000億円の内訳は、

量の拡大:4,000億円
質の改善:3,000億円

ですので、当初予定していた平成29年からの質改善ではなく、平成27年、28年
は量の拡大がベースになります。

29年度末までに40万人の枠を作ることが待機児童解消加速化プラン
ですから、試算では毎年量の拡大で1,000億円は必要です。

さらに、幼稚園がこども園になったり、新規施設の運営費にかかる費用が
約2,000億円ほどかかりますので、施設型給付と地域型保育給付で約3,000億円
は必要になります。

そこに子ども子育て支援事業などが追加されるわけです。

つまり、27年はほぼ予定通り、28年は増税分が見込めませんから予定よりも給付
は減少となるでしょう。そこでポイントになるのが、つなぎ国債をやるのかどうか、
そしてやるならば開始時期です。


そして、29年以降についても、同様に「つなぎ国債」で対応するかどうか
という議論になります。(もしくは他から財源を引っ張る)


これは正直なところ分かりません。


いずれにしても、消費税の先送り問題は、当然ながら29年からの質改善後ベース
の公定価格の実現にストップがかかったわけです。


当然、幼稚園からのこども園化に大きく影響します。


大規模園や私学助成が少ない地域は移行は進みません。

そもそも都心部でのこども園化は極めて少ないわけです。


それでも幼稚園の0~2歳の保育に対する意識は高いですから、恐らく小規模保育
併設という決断をする園も増えると思われます。


認可保育所は引き続き増える、小規模保育も増える、こども園化は進まない。
そして、質改善後ベースの公定価格は早くてつなぎ国債で29年から、もしくは平成30年
から増税して実施、遅くて31年から実施。

このようなイメージになると考えております。

難しい判断ですが、是非経営者様は近未来を予測しながら経営をして頂ければ
幸いです。
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