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- ライター名:大嶽 広展
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
事業所内保育で参入する(4)
掲載日:2015年1月17日みなさん、こんにちは。 船井総研の大嶽です。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 事業所内保育の設立によって、女性社員の積極採用、定着率アップ につながることが分かりました。 私が開設のお手伝いをさせていただく中で特にポイントと考えている 点は、 (1)立地 (2)人材 (3)補助金 の3つになります。 まず立地についてですが、多くの事業所内保育施設では、オフィス内、 工場内、敷地内などの文字どおり事業所内に開設していますが、中には 従業員の通勤圏内に隣接して開設するケースもあります。 特に中小企業では、事業所内に作れないということもあり、近隣のビル テナントや戸建住宅の賃貸で入るケースが多く見られます。 平均的な子どもの定員は10~20人ですから、面積としては、15~20坪 となります。 トイレやキッチン、手洗い場なでの水周り設備、また、保育室、事務 スペース、収納などを設けます。 人材について、保育は典型的な労働集約型事業ですから、運営の品質も 人材に大きく依存します。 よって、原則は保育士資格を持つスタッフになります。 また、事業所内保育を運営する場合、上記の定員規模の場合、 保育スタッフは常時3~4人ですので、通常の保育園のように何十人も 配置する必要はありません。 とはいえ、保育士不足は近年徐々に深刻化していますから、採用に対する 投資は十分に見ておく必要があります。 平均的な規模の、収益化が目的ではない事業所内保育の収入は、80%が 補助金、実質収入は500~600万円程度です。一方で経費は年間1,200万円 ほどかかるため、自己負担の大きいことが特徴でした。 したがって人材確保や定着率を高めるために投資をし、導入できたのは、 大手企業や、女性職員が多く深刻な人材不足に悩む病院などに限定されていました。 しかし、2015年4月からは、労働局に代わって「子ども子育て支援新制度」 を推進する内閣府から補助金が出るようになります。 平均的な規模でも現在の約4倍の2,000万円ほどの補助金が出るようになります。 中小企業でも運営が可能となり、女性社員の採用と定着の一助になるでしょう。
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