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- ライター名:大嶽 広展
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
認可保育所の財務対策(2)
掲載日:2015年7月 3日みなさん、こんにちは。
全国的に認可保育所の開設が進み、多様な実施主体も参入してきていることで、
認可保育所の収支、財務についてのご相談が増えています。
そこで、シリーズで、
・収支構造
・人件費の考え方
・弾力運用
・本部会計の考え方
・財務指標
などのポイントをお伝えしていきたいと思います。
今回はまず、人件費の考え方についてです。
保育所の人件費は、児童福祉施設最低基準の人員配置に
基づきますから、年齢別の定員構成を前提とします。
当然、認可保育所であれば配置される人員は保育士の有資格者
です。
そこに、主任が1名、ないしは規模によっては2名配置され、さらには
保育補助として無資格者も含めた配置がなされ、月曜日から土曜日、
基本時間を11時間とし、延長保育も含めたシフトが形成されます。
地域差はありますが、役職別の平均年収は、
一般:250~300万円程度
主任:350~400万円程度
園長:450~500万円程度
で、そこに非常勤も含めた人件費が加算されます。
その結果、稼働率がほぼ100%の認可保育所については、人件費率が
以下のようになります。
社会福祉法人立:65~75%
その他法人立:55~65%
現状では、株式会社を始めとした民間企業立の認可保育所の方が、
・非常勤比率が高い
・勤務年数の少ない社員が多い
・賞与原資が少ない
といった理由から人件費率は低くなっています。
今後は処遇改善加算、キャリアパス用件等によって、処遇のバラツキ
が生まれる可能性がさらに高まる反面、これらを上手く活用することで、
大きな差別化になることが予想されます。
是非参考にしてみてください。
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