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- ライター名:大嶽 広展
- 会社名:株式会社 船井総合研究所
- 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。
人が育つ組織の共通点(5)
掲載日:2015年7月28日みなさん、こんにちは。
船井総研の大嶽です。
さてシリーズで
「人が育つ組織を作る」
というテーマで、保育士不足に伴う離職率をどのようにして改善するか、
定着率を高めるかをお伝えしています。
退職理由は以下の8つのどれかに必ず当てはまります。
1.人間関係が悪い
2.責任が重い・大変
3.待遇に納得いかない
4.方針に合わない
5.達成感がない
6.役割が見えない
7.先が見えない
8.つまらない
今回は「待遇に納得がいかない」という点についての改善策をお伝えします。
これは、保育業界の永遠の課題です。
保育士の平均は平成26年で317万円です。
これは全産業平均よりも100万円低い計算になります。
よく保育業界外の方々からは、
「なぜ保育士は給与が低いのか?」
と質問をされますが、業界関係者ならば明確に分かることだと思います。
それは、
「園の収入が決まってしまうから」
ということです。
新制度では処遇改善等加算ということで、加算が2%~12%がつき、さらに
賃金改善要件分として3~4%が上乗せされます。
認可保育所の場合は、使途制限があり、さらに賃金改善要件分についても使途が
制限されることから、その分が人件費アップに反映されます。
しかし、それでも限界はあるわけです。
いきなり、年収300万円の一般職員が400万円にはなりません。
実費徴収を増やすという方法もありますが、保育園の場合、保護者への同意書
などのハードルから、簡単に実費徴収の設定はできません。
よって、私の意見としては、
「単純に給与だけを見られてはいけない」
ということです。
その改善策は以下の3つです。
・賞与で反映させる
・キャリアアップ・昇給制度で反映させる
・仕事価値/給与を高める
賞与は回数で反映させたり、月数分の額で反映させる方法がありますが、
抜本的な解決策にはなりません。せいぜい10~20万円アップする程度です。
また、キャリアアップについては、施設展開によってキャリア(主任以上の
役職)を増やすことが前提になります。
仕事価値/給与を高めることについては、モチベーションの話になりますが、
これにも限界があります。
ウルトラCがないが故に、これらを複合させることが重要です。
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